Yukihiro Takahashi Live 2009 “OUT OF HERE”
2009年6月6日(土) SHIBUYA-AX
■Band Members
権藤知彦 Flugelhorn, Computer, etc
高田漣 Pedal Steel, Acoustic Guitar, etc
堀江博久 Keyboards, etc
鈴木正人 Electric Bass, etc
千住宗臣 Drums, etc
■Screen Visual
伊瀬聖子
■Special Guest Artists
Valerie Trebeljahr (Lali Puna) from Munich, Germany
小山田圭吾 a.k.a. Cornelius from Tokyo, Japan
私はまたしても体調が冴えなかったのですが、
最近の作風やインタビュー内容に煽られたのか、
あえてシートよりスタンディングを選んだので、
途中でへばらないように栄養剤を2回も飲んで、
ぎりぎりまで体力温存し、開演15分前に到着でした。
当然後ろの方で、ちょっと視界は悪かったけど、
最後までしっかり聴ける、ってのが重要で。
おかげでラジオを聴いてから参加できました・・・
ま、その話はあとで。
1.Openning
2.You've Got to Hide Your Love Away (The Beatles)
3.The Muse
4.The Words
5.Lay My Love (Brian Eno & John Cale)
6.I Like The Wright Brothers, But No Airplanes
7.Emerger
8.Out of Here
9.Atomic Chicken Dog
10.Indefinable Point
11.Blue Moon Blue
12.Everybody Had A Hard Year (März)
13.My Favorite Hat
14.Scary World Theory (Lali Puna)
15.Out There
16.Meteor Rain -Leonids on the morning of November 17th-
encore1
Still Walking To The Beat
Where Are You Heading To?
encore2
What The World Needs Now Is Love (Burt Bacharach)
Ending
Valerie
バンドメンバーの登場に続けて登場した幸宏さんは、
ボーカル用セッティングを通過して左奥のドラムセットへ。
意表を突かれて沸く客席(笑)。
おおなるほど、今日はイケイケなんですね?
先日の忠さんライブの余韻を感じつつ、期待が膨らむ!
1.Opening初めて聴く曲でしたが、即興性の高いファンキーな曲で、
最近の肉体性がさらに盛り上がっていることを実感します。
Wドラムに権藤さんのホーンがあるので、非常にゴージャス。
いいですねー飛ばしてますねー。今の幸宏さんぽくて。
ここで幸宏さんはステージセンターのボーカル位置に戻り、
部分的に千住さんと幸宏さんのWドラムとなりました。
2.You've Got to Hide Your Love Away (The Beatles)ほぼアルバムバージョン通り、雪の中の新芽みたいなアレンジ。
このアレンジがいいなと思うのは、熟練の安定感がありつつ、
本質的な意味での精神的な若さ、芽生えが感じられる点です。
幸宏さんの中にはまた新しい何かが生まれ続けてるって事が、
古い曲のフレッシュな響きによって、際立って伝わって来ます。
そして背後にはスティーブによるイギリスのスライドショー。
いいですよねー、イギリスの町並み。
さて、ここで幸宏さんの手にはエレクトリックバグパイプ。
Pupaのライブでは知世さんが操ってた楽器ですね。
この楽器が来るということは、私の好きなあの曲。
でも実はこの曲を1曲目に予想してたんですけど。
3.The Muse は〜もう、立て続けにいい曲浴びて幸せだわ〜。
この曲は確かにBMBっぽい調和に包まれてるんだけど、
少しミステリアスな雰囲気もあり、いっそう魅力的です。
ここまでが一連のオープニングっていう感じ。
激しいばかりでもない、音楽への愛情と熱意と自信の
しなやかな力強さを感じる輝かしいスタートでした。
ここで、Page By Pageの主役ともいえる曲が登場。
4.The Words 共作者のamiinaは、ビデオ出演でした。
映像はPVのアウトテイク版というかリミックスというか、
一人一人のメンバー紹介や、初めて見るシーンがあって、
でもテイストはあの美しい映像のままで。
改めてこの曲はロマンティックですね〜。
音でも映像でも、amiinaはこの曲にピッタリな存在です。
5.Lay My Love (Brian Eno & John Cale) これはBMBの頃には聴けなかったから嬉しかった!
ドラム入りで多分オリジナル(→
iTunesStore)に近い感じ。
でも、まだオリジナル聴いてないんですよねー。
同居人が「あれ?この曲知ってるよ」って言うから
「持ってるなら貸してくれ!」って頼んだのだけど、
「いや持ってるとしても多分カセットテープだよ」
って言われちゃって、急激にトーンダウンしてしまい(笑)。
でも、今になってまた欲しさが急上昇してきました。
ただ、CDをちゃんと買って聴きたいって思うレベルの物は、
脳内カートが溢れてるから逆に迷ってしまうんですよね。。。
6.I Like The Wright Brothers, But No Airplanes こちらもバンド構成で生っぽいテイストに。
千住さんのドラムは初めて聴いたので分からないけど、
ボアダムスの音楽性から考えると(1枚しか聴いてないけど)、
この日は少し遠慮してたのかな?いや、分かりませんが。
ベースの鈴木正人さんはおそらく
3年前の池上本門寺以来で、
あの日はウッドベースだったけど今回も耳を奪われる事が多く、
どうやら好きなベーシストみたいです。
ガツガツしてないおおらかさがあって、太いというか・・・
ちょうどヴァイオリンでいえばオイストラフみたいな印象。
ここで最初のゲスト、コーネリアスこと小山田くん登場。
よくよく考えてみたら初生コーネリなのでした。
しかし、見た目はあんまり変わらないですね。。。
いそいそとギターのセッティングに忙しい小山田くんに、
「こういう時に話しかけちゃいけないんだよね」と幸宏さん、
そして、「いや大丈夫ですよ」とクールに返す小山田くん。
メキシコツアーが新型インフルエンザの流行にドンピシャで
中止になっちゃったエピソードに苦笑いしてました。
7.Emerger この曲はお気に入りだし、CDはバランスが最高なので、
ライブ映えする曲としてかなり期待してたけど、
ちょっとガチャガチャしてて掴みにくかったかな・・。
ただ中盤の盛り上がりの火付け役となった曲でもあります。
8.Out of Here この曲は、アクセントになる曲なんですよね。
不安を煽るように逆行するピアノがいいんです。
というかこの感じ、迷路人間にはかなりのリアリティです。
9.Atomic Chicken Dog この曲はもうガンガン叩いてすごかったです。
オリジナルとは全然違う曲になってました。
幸宏さんの音楽って、あんまり混沌が無い印象なんです。
感性も知性も高い感じ。だから、こんな風に羽目が外れるのは、
避けてるつもりは無いのでしょうが、珍しいなと思いました。
ここでMC。
「えー、ちょっと張り切っちゃったので・・・(笑)。
スティーブ・ジャンセンと僕の曲はいつも暗いんですが、
そんな暗い曲で気持ちよくなって下さい」と。
ついに来ました、アルバムで一番好きな、あの曲!
10.Indefinable Point これもほぼオリジナル通りで、やっぱり気持ち良くて。
映像は、2隻のボートのフォーカスが外れて行く感じ・・・
意識が煙って違う次元に埋もれて行けそうな・・・
同じ音圧の筈なのに、なぜか遠くから聴こえる感じ。
意識がダブって、視界にゴースト信号が出てくる感じ。
この時ばかりは「シートのほうが良かったかな」なんて。
スタンディングは体の力抜けないですよね、危なくて(笑)。
11.Blue Moon Blue
12.Everybody Had A Hard Year (März) この2曲は、まるで兄弟みたいな感じですね。
部分的に似てるんだけど、全然違う人格があって、
どちらもたまらなく愛しております。
この2曲を並べたのは感謝とリスペクトの証でしょうね。
それにしてもメルツの曲を今回もやるとは予想外だったので、
あの美しいギターのイントロが聴こえて来た瞬間に、
なんというか、ぞわっと来ました。
この曲はもうイントロだけで100回死ねる
TM!!!
まだ聴いていない人は、一度でいいから聴いてみて下さい。
たった150円で100回死ねる
TMんですから(笑)。
[iTunesStore]Everybody Had A Hard Year そこまで聴いたからには「Blue Moon Blue」も必聴です。
[iTunesStore]Blue Moon Blue ※「100回死ねる
TM」は同居人が発した最上級の褒め言葉で、
私の脳内では、ほぼ商標登録されております。
13.My Favorite Hat この曲こそ色々な時代の幸宏さんが交錯するPBPらしい曲。
どの世代のファンもホッとする曲なのではないでしょうか。
確かこのあたりで「15分くらい前からコンタクトがずれてて、
細かい所が見えないんですが・・・」と衝撃の告白が。
なんと、そのメガネは伊達メガネだったんですか!
池上本門寺の時は蜂に襲撃されるし、大変ですね。
さて、ここでお待ちかね、ヴァレリーちゃんの登場です。
幸宏さん、とっても嬉しそうに語りまくります。
彼女は忙しい中・・・『子供達の事もとても心配なんだけど、
yukihiroのためなら行くわ』って、来てくれました。
なんて可愛らしい・・・あ、彼女は日本語全然わかりません。
ずっと好きだったんだけど、恥ずかしくてまだ言えてないです。
それにしてもヴァレリー、なんともいえないたたずまいです。
子供のピアノの発表会みたいな、あどけないぎこちなさ。
(実家の商売柄、この手の映像はよく目にするので)
ちなみに彼女は韓国出身。東洋ロリータの精神性を感じます。
14.Scary World Theory (Lali Puna)
15.Out There ヴァレリーはバンドサウンドに負けまいと地声を張ってましたが、
やはりファルセットになると、まさのあの声です。
ウィスパーでも細くない、肉感と官能を備えた強さと柔らかさ。
大丈夫、無理しなくても、その声はちゃんと通るよ。
って言ってあげたかった・・・。
16.Meteor Rain -Leonids on the morning of November 17th- この曲になるとヴァレリーもすっかりマイペースで、
それに映像もビンテージの本みたいにかわいくて、
すっかりいい気分。ライブだけなんて微妙に勿体ない映像。
encore1
Still Walking To The Beat
Where Are You Heading To? Still Walking To The Beatはカッコ良かった!
漣さんのギターって、人間性とリスペクトに裏打ちされた、
非常に堅実で暖かいけど破壊的ではないギターで、
一方のコーネリアスはちょっと大変なギターになってて、
そんな羽目の外し方が私には痛快でした。
また、Where Are You Heading To?は、
迷路人間のポジティブ面に響く大好きな曲で・・・
そうそう、今回の選曲は本当に素晴らしかったー!
あんまりにも好きな曲ばっかりなんだもの。
大好きな作曲家なんだから理論的には当たり前なんだけど、
でもやっぱり「体験」としては珍しい事なんで、幸せでした。
encore2
What The World Needs Now Is Love (Burt Bacharach)ラジオでこの曲を流して「ライブでやる」とコメントされてたので、
Wアンコがあることも事前に分かっちゃってました・・・
でもそういう優越感もあって、とても幸せな気持ちで・・・
「今の気持ちのメッセージとして」っていう曲前のMCも、
オリジナルの体験を共有しているっていう自負があるから、
余計に「分かる!」って思っちゃうじゃないですか(笑)。
あ、自意識過剰は仕様ですので、ご了承ください。
ここでメンバーは退場し、終演かなと思いきや・・・
Ending
ValerieエンディングSE、エンドロール映像つき。
ライブDVDなんかではよくある構成ですけど、
ライブの時点でこういった構成にすること自体、
非常に映像的であったとも言えます。
たった1日の公演でしたが、よく練られた構成だと思いました。
しかしつくづく思うのだけど、経験、ですよねぇー。
ヨーロピアン、ポップス、グラム、ファンク、クロスオーバー、
テクノポップ、エレクトロニカ、幸宏さんが経験した音楽性って、
一体どのくらいあるんでしょうか。
垣根が取り払われた広い地平と、そこに貫かれた美意識。
だから私にはこんなに心地よいんですね、この世界は。
そして何より、幸宏さんの姿勢が印象的でした。
ステージのセンターから外したイヤホンを投げ捨てて、
颯爽とドラムセットへ向かう姿に惚れまくりました(笑)。
ドラムも叩きながら歌ったりと、超エネルギッシュです。
Page By Pageの内容通り、貪欲です。そして前のめりです。
穏やかそうに振る舞ってても、ホントはつい突き進んじゃう、
それって演奏にも出てるし、曲にもその両面があるし・・・
好きになった時よりさらにカッコ良くなってくれるなんて、
ファンとしては何よりも嬉しいじゃありませんか!
「いつも新しくいたい。そこには何か真実があるから。」
いつか何かの雑誌で、そんな風に仰っていた幸宏さん。
でも、もっと簡単に言えるような気がするのです。
「いつ何時も、その瞬間の真実でいること。」
だって、こんなに肌に馴染むのに、惰性も生活感も無い、
この曇りの無い心地よさは、きっとそこから生まれてるのです。